日本人男とドイツ人女の国際結婚 ~出生手続き:子供の国籍と名前~

日本人男とドイツ人女の国際結婚 ~出生手続き:子供の国籍と名前~

どうも、Bodomchildです。

ドイツ人との国際結婚において、「子供が生まれた時の手続きはどんなことがあるのか」を経験を基にご紹介します。

正直、夫が日本人パターンの情報少ないので、備忘録のために必須だと思いました。笑

ネットで調べると、奥さんが日本人のケースが圧倒的なんよな。

ちなみに、この記事は、「日本に経済基盤のある、国際結婚夫婦で、日本で出産した、夫が日本人で妻がドイツ人のパターン」です。

良かったら参考にしてください。

※自分の場合であり、ドイツ大使館の情報とドイツ側現地役所(妻の出生地)が基になっているので、多少異なる場合もあります。

子供が生まれるまで

①申請関連

日本人同士でもそうですが、「妻の地元で里帰り出産する」っていうパターンが大半なんじゃないかなと思います。

運悪くコロナ禍に突入したために、我が家では初めから日本で出産するという前提でした。

なので、ドイツへ里帰り出産した場合等はほとんど考えていなかったです。

結論から言うと、日本人カップルの場合と同じです。

具体的には、

妊娠発覚 → 市役所で母子手帳発行 → 出産一時金等の行政サービスを受ける。

各自治体によるところですので、各行政の情報集めが必要です。

基本的には、妻が外国人だろうが、夫が日本人で日本で暮らしているので、変わりません。

ちなみに「この間にドイツ本国へ申請が何かあるの?」という疑問があると思いますが、全くないです。

特別な申請は全くありません。

 

②出産

妻の場合、初産でした。

日本での出産ですので、通院でのお医者さんとの会話は日本語のやり取りがメインとなりました。

これが思いのほか、ストレスを感じていたみたいです。

夫の自分としては可能な限り、通訳として通院の帯同はしていましたが、妻にとっては試練ですね。

当然ですよね、妻からすると初産だし、外国での出産ですし。

更にコロナ禍で、出産に私が立ち会うことができないという状況でしたから、相当なもんだと思います。

妻のストレスをいかに軽減できるかに命を注いでいました。

病院から渡される資料はほぼすべて翻訳を行い自分で資料作成しましたし、

看護師さんや医者さんとの会話を電話で言ってもらって、その場で妻に翻訳したり、色々奔走しました。

他の国際結婚カップルや外国で出産されたカップルでも同様の苦労はあるんだろうなと思いました。

間違いなく、国際結婚した際の苦労と思っています。

出産の際に感じた違いは、それでした。

 

子供が生まれてからの流れ

子供が生まれたら大まかには以下の流れで届け出を行います。

1. 出生届を日本へ出す

2. 出生届をドイツへ出す。

簡単に言うと、日本でもドイツでも手続きを行うということです。

厳密には、日本で出産した場合と外国で出産した場合で手続きは微妙に違います。

私も理解するのに苦労しました。

正直、日本の役所は何も教えてくれないので何が正しいのかわかりません。

外務省とか覗くと「国籍留保の手続き」とか出てくるわけですよ。

そして、出生届の条文には、以下のような文言が書かれています。

生まれた日を含めて3か月以内(例えば10月23日に生まれた場合は翌年1月22日まで)に届け出て下さい。

なお、出生により外国の国籍も取得している場合は、この届出期限を過ぎますと日本国籍を失いますので、日本側への出生届はできません。

外務省HP抜粋

(後に理解したが、外国で出産の場合なんですよね。。)

何それ怖い!

私の場合、懸念していたことは「我が子の国籍でドイツ国籍を取得できる可能性を残す」なので、様々な不安に駆られました。

だって、折角、国籍を選択できるチャンスがあるんだから親としてはその権利を死守したいじゃないですか?

後述しますが、

手続きし終えた感想は、「巷にあふれている国際結婚話は、日本人妻目線のやつが本当に多い!」

本当、ドイツ人妻と日本人夫の国際結婚って少ないんだなということを再実感しましたw

 

1. 日本での出生届提出

やること:出生届を書いて、市役所に提出する

期限:出生後2週間以内

大概は、病院で手続きについて説明を受けると思います。

そして、退院してからそろっていくことが多いんじゃないでしょうか?

我が子の場合は、帝王切開だったこともあり、入院期間が延びたので、夫婦で済ませました。

ちなみに、国籍に関する手続きはありません。 ※後述のドイツでの出生届の中で説明します。

名前は、ミドルネームと名前をくっつける方式にしたんですが、記入欄狭すぎた。笑

 

ハーフ(ミックス)の名づけについて

日本の出生届は、姓・名しか記入することができません。

ミドルネームを設定する場合は、名の記入欄にすべてを収める必要があります。

名前が長かろうが、日本語で問題なければ受理されます。

というか、申請時に親の片方が外国人ならば察してくれますので、何の心配もありません。

我が子の場合、ミドルネームと名前をくっつける方式にしました。※ドイツ語名としても同じです。

例としては、女優の中条あゆみさんです。

本名が、中条 あやみ ポーリンとのことなので、日本出生届では名の記入欄に「あやみポーリン」と記載することになります。

我が家では、子供の将来を考えると日本人のように名前は「あやみ」みたいにするべきかとも悩みましたが、

以下の3つの理由でミドルネームと名前をくっつける方式に決めました。

<そう決めた理由>

・ニックネームを設定したかった。by 妻

 アレクサンドラ →アレックス みたいな。

・どちらのルーツも残したいし、見た目がドイツ人なので、違和感が皆無である。by 夫

これは別記事:遺伝の法則~答え合わせ編~を見てほしいです。

まぁ、あってほしくないですが、昨今の行き過ぎたキラキラネームのせいで子供の申し出により変更可能となっているようですので、

本気で変えたい時は、我が子の選択に任せてみようと思います。

ドイツ名としては、全く違和感のない素晴らしい名前だと、ドイツの友人と親族には言われていますし、全く問題ないと思っています。

 


2. ドイツでの出生届提出

やること:出生届を書いて、戸籍謄本等の身分証明書をアポスティーユつけてドイツ大使館に提出する

主な流れ:①ドイツ大使館のHPから出生届用の申請書をダウンロードして記入。

     ②戸籍謄本へのアポスティーユ付与

     ③②の書類の翻訳

     ④ドイツ現地の市役所用の夫婦のパスポートコピー

     ⑤ドイツ大使館へ申請及び提出

期限:出生後1年以内

最初に結論言わせてもらうと、必ずしもドイツ側に出生届を出す義務はありません。そうです。

「え?」って感じですが、理由としては、

日本で出産した場合、自動的に日本国籍を取得した状態になる為です。

厳密には日本国籍しかもっていない状態。

すなわち、「日本で出産した日本人の子供だから問答無用で日本人です。」ということだそうです。

※日本での出生届で、国籍に関する申請がなかったのはこのためです。

でも注意が必要です。

これは、日本国籍を選択することが確定で決まっている場合に限るということ。

つまり、「私は一生日本人として生きていく」と子供が言うならば、ドイツ側へ出生届出す必要がない。だそうです。

※生まれた時点でそんなこと言う赤ちゃんいませんけどね。

国際結婚したカップルの子供は、多くの場合、2重国籍になるわけですが、出生間もない段階で一つの国籍に絞るのは良い選択ではないと思っています。

将来日本人親が亡くなったり、ドイツへ帰国する可能性があるのでなおさら得策ではない。

なので、ドイツ側へもしっかりと出生届を申請するべきです。

 

2重国籍と国籍の留保について

2重国籍についてですが、日本人と外国人の国際結婚カップルが日本で出産するのか、外国で出産するのかで手続きが異なります。

外国で出産する場合、「日本国籍の留保」というのを日本で申請する必要があります。

日本の法律では、2重国籍は認められていませんので22歳までに一つの国籍を選択しなければなりません。

「日本国籍の留保」は、22歳までにどちらの国籍をを選ぶかを保留する手続きです。

外国で出産の場合は、「日本国籍の留保」をしないと日本国籍が失う可能性があります。

自分の場合、この違いがよく分からなくて市役所に問い合わせたんですが、「必要ありません。」の一点張りでなんも説明もしてくれませんでした。

「え、ほんじゃ、我が子はドイツ国籍の取得はできないってこと?」と思うじゃないですか?

日本での出産の場合は、「必要な時に国籍取得の手続きを行えば、無条件で国籍取得となる」だそうです。

しかし、注意が必要です。

将来、ドイツ国籍を取得する可能性があるのならば、1年以内にドイツへ出生を届け出ておく必要あります。

いつでもええ言うとったやんけ!と思わず突っ込んでしまったんですが、解釈としてはこう。

1年以内にドイツ側に出生届を出さなかった場合、

ドイツ政府:「1年たってもドイツ側に出生を言ってこんてことは、それはもう生涯 日本人として暮らすってことやな。」

ドイツ政府:「母親がドイツ人でも、将来やっぱドイツ国籍取得するってなっても、純日本人と同じ手続きをしてもらうで。

つまり、ドイツ人母親の子供が、「いつでもドイツ国籍取得できる」という権利がなくなるとのこと。

※ドイツ大使館や妻の地元の市役所(出生届提出先)に聞いて確認した話なので、諸説あるかもしれません。

 いずれにせよ、必ず確認をすることをオススメします。

こういうことのようです。

だって、そもそも日本政府のルールでは「日本人夫の子供は日本人だ」ってことですから、何も言わなければそらそうですよね。

以上から、前述しましたが、日本で出産なのか、外国で出産なのかで手続きが違います。

ですが、日本で将来もずっと暮らしていくならば子供は22歳にまでに一つの国籍を選択しなければならないのは変わりません。

《日本人夫とドイツ人妻の子供の国籍の理解》

・ドイツ国籍を取得する可能性があるならば、出生から1年以内に出生届をドイツ側へ提出(ドイツ大使館/妻の出生地の役所)

・22歳までに日本国籍かドイツ国籍を選択する必要あり。

・日本での出産の場合は、子供は日本国籍保有状態なので「国籍の留保」は必要なく、

 22歳までにドイツ国籍を取得すると、自動的に日本国籍喪失。

 

血統主義と出生地主義

国籍の話があったので、併せて説明しておきます。

国際結婚の場合その子供の多くは2重国籍になると言いましたが、出生地主義をとる国では両親の国籍に関係なくその国の国籍を保有します。

血統主義:ドイツ、フランス、イギリス、イラン、インドネシア、中国、韓国、日本など

→親の国籍によって、子供の国籍が決まる。「父系優先血統主義」と「父母両系血統主義」の2つに分かれる。

     ・父系優先血統主義:父親の血統を優先するもので、父親の国籍のみをその子どもが取得。(イラン、インドネシアetc)

     ・父母両系血統主義:父または母のいずれかがその国の国籍であれば、子どももその国籍を取得。(ドイツ、日本etc)

生地主義:アメリカ、カナダ、ブラジルなど

→両親の国籍に関係なく、生まれた国の国籍を取得できる。

 日本国籍の両親がアメリカで出産すれば、その子供はアメリカ国籍を取得できる。

出生地主義はあまり馴染みがないですが、

両親日本人同士なのにアメリカ帰国子女でアメリカ国籍を保有している人がいるのはそのためです。

親がアメリカ国籍を持っていなくても、その親がアメリカで生活をしていた時に出産すれば、その子供はアメリカ国籍を取得できます。

アメリカに永住しない場合は、親は日本人なので、前述した「国籍の留保」が必要であり、22歳までに選択する必要があります。

最近ニュースで、すごくタイムリーな記事がありました。

サッカー長友選手のお子さんが3人いて全員生まれた国が違うということで「国籍が全員違う」という記事が書かれていました。

これを書くなら「国際色豊か」と言うべきでしょう。記者の間違いであってほしい限りです。

長友選手の在籍していたイタリア、トルコ、フランスはすべて血統主義国ですので、長友選手夫妻がそれらの国の国籍を保有していないと国籍取得できません。(※フランスは、条件付きで生地主義を採用していますが。短期滞在だとまず無理みたいですね。)

一瞬サッカー選手だけ特別なんかなと思いましたが、単なる間違いでしょうね。

 

まとめ

日本人夫とドイツ人妻の出産の体験談をもとにご紹介させていただきました。

手続きして思うのは、どちらの役所も聞いても詳しく教えてもらえないので、自分が理解できるまで必ず確認することが大事だと思います。

特にドイツ側は役所の担当者の休暇とかに入ると忘れ去られるので。

国籍は子供本人の選択になるので、将来、子供が22歳になるまでにしっかりと国籍について、国について体験させてあげて、

最良の選択ができるように手助けすることが親父としての責務だなと思いました。

ほな