ホンダジェットとMRJ 今、日本の航空業界がアツい!

ホンダジェットとMRJ 今、日本の航空業界がアツい!

暑い、暑すぎる、どうもBdomochildです。

旧ブログのほうで以前に書いたことがあるのですが、話題が以前ほどではありませんが、
MRJとホンダジェットについて書きたいと思います。

理系でかつ製造業に従事する人間としては、近年でホットな話題です。特にすでに販売が開始されているホンダジェットの快進撃ぶりには度肝を抜かれております。

 


 

日本の航空産業

はるか昔は、第二次世界大戦時に世界と航空産業の覇権を争っていました。
しかし、第二世界大戦終結後、GHQの指令により、日本の航空機開発・製造は消滅されてしまいました。

事実上、日本の航空機研究は消滅させられてしまいました。日本製の飛行機が中々お目にかからないのはそういった歴史的な事情が働いています。

裏話ですが、
この時に航空機の開発を行っていた研究者が大量に自動車産業に流れ、今の日本の産業構造を構築しています。
なので、当時の日本の航空機開発能力は押して知るべしです。アメリカが圧力をかけた理由なのかなと妄想したりします。

 

MRJとは

三菱航空機が開発を進めているMRJ(Mitsubishi Reajonal Jet)のことです。
日本政府からの支援金(つまり、税金)と三菱グループの支援で開発が進行しています。

特筆すべきは、

日本製造であり、国産のジェットと呼べることですね。
前述しましたが、日本としては悲願の達成となります。

戦後航空機製造業の消滅を余儀なくされた日本にとっては悲願であっただけに、マスコミの扱いは大きかったですよね。MRJは従来機より燃費が約2割優れているのが最大のメリットです。

MRJが最大の特徴と強調している低燃費を実現しているエンジンは国産ではなく、アメリカの「プラット・アンド・ホイットニー(P&W社)」の製造です。
海外調達部品が70%を占め、根幹のジェットエンジンはP&W社製エンジンを購入します。
すなわち、日本での調達部品は30%に満たないのです。

製造業に携わる、Bodomchildとしては、「ん?国産なんだよね・・?」と疑問を持ってしまいます。

 

ホンダジェットとは

名前のとおり、自動車メーカーの本田技研工業の子会社であるHAC(Honda Aircraft Company)が開発製造を行っている航空機です。
こちらは、既に販売されており、ホンダジェットの属する航空機カテゴリーでは世界で首位を獲得しています。

特筆すべきは、

ENGの設計開発を日本のホンダが行っており、航空機業界としては初となる、エンジンから組み立てまですべてを一企業で行っている体制をとっています。

MRJと違い、製造拠点はアメリカになります。

ホンダジェットは開発に相当年月がかかっており、一企業だけで完遂されたということが話題になりました。

簡単な経緯は以下

二輪メーカーだった1960年代に創業者の本田宗一郎が構想を描き、歴代社長がその思いを紡ぎ、独自技術開発を重ねて実現しました。ジェットエンジンは表向きGE(General Electric社)との合弁になっているが、基本設計・開発はホンダオリジナルです。

GEは、F1とエコカーで培ったその性能に魅了され、GE側から提携を打診したそうな。ホンダジェットはその高性能エコエンジンと、主翼にエンジンを載せる独自形状のボディでクラストップの燃費を誇る。

常識を覆す独自の開発技術にも成功しています。最たるものがエンジンレイアウトで、一般的にジェット機のエンジンは左右の翼の下か機体後部の両側に配置されるが、ホンダジェットでは左右の翼の上に配置する形態(Over-The-Wing Engine Mount)を採用しています。これにより同クラスのジェット機に比べてキャビン内も格段に広く確保されています。

さらに、空力の向上に貢献する自然層流翼型、一体成型の複合材胴体などの独自開発技術にも成功しており、クラス最高水準の最高速度、最大運用高度、上昇性能、燃費性能、静粛性および室内サイズを実現し、これまで13区間において、最短飛行時間記録を更新する歴史的な偉業を達成しています。

2015年12月に米国で型式証明を取得して一号機を納入したのを皮切りに、欧州、カナダ、ブラジルでも型式を取得し2018年1月には中国のディーラーも稼働している。2018年5月にはアップグレード版のHondaJet Elite(エリート)」を出しています。

歴史を端折れば、田舎町の自動車修理会社がジェット機を独自開発し、事業を軌道に乗せ、カテゴリーで世界首位となる歴史的快挙と言えます!

また、私個人としては、ホンダジェットこそ、国産機と呼べるのではないかと思っています。

・航空機の根幹部品の設計を行ったのが、日本のホンダであること
・紛れもない本田技研工業の30年にわたる超長期開発機種であること

それに

生産地で国産化・非国産というのならば、日本の製品のほとんどが中国産になりますし、日本人の大好きなiPhoneも中国製ですよね?

と思うんですね。

 

Hondajetの快挙の数々

《受賞歴》

・AIAA(アメリカ航空宇宙学会)の「エアクラフトデザインアワード2012」受賞
・SAEインターナショナルの「ケリー・ジョンソン賞」受賞
・AIAA(アメリカ航空宇宙学会)の「連盟優秀賞2018」受賞
※AIAAの賞はいずれも、社長の受賞であり、日本人としては初の快挙となっています。

 

《性能・販売》

・Very Light Jetカテゴリー販売台数2017年間 首位
・同カテゴリー最大運行高度
・同カテゴリー最高速度
・同カテゴリー最良燃費
・同カテゴリー最大上昇性能
・同カテゴリー最大の静粛性
・同カテゴリー最大の室内サイズ
・同カテゴリー 初の「トイレ設置」
・アメリカ13区における最短飛行時間記録を樹立

 

《その他》

・自動車メーカーからの航空機参入は初 ※逆パターンはある。例:ダイムラー、ロールスロイス、スバル等
・エンジン開発から組立てまで行う企業は初

 

書いてみましたが、凄まじいです。笑
逆にこれだけのインパクトを起こさないと成熟業界への新規参入は成し得ないということでしょうか。

日本におりながら、なぜ大々的に取り上げられないのか、不思議です。

私は化学専攻でしたので、2010年に鈴木章氏がノーベル化学賞を受賞した以来の、心の底から熱く・興奮です!

 


MRJとホンダジェットの違い

まずカテゴリーがが全く違います。

MRJは、旅客機
HJは、ビジネスジェット(個人所有)

大きさや部品点数が全く違ってきます。
一般的には、旅客機のほうがはるかに難しいと言われています。
よって、同列で比較はできないです。

この2機種に共通する謳い文句は、「燃費が良い」ということですね。以下にも日本ぽいですよね。
しかし、MRJの場合、開発が大幅に遅延していることもあり、当初は優位性のあった性能ですが、他社も同じエンジンを使用し始めたこともあり、メリットが薄まってしまっと言われています。。。

 

国産と呼べるのか?論争

よく、巷で「MRJは国産で、ホンダジェットは国産ではない」といわれます。

私はこれに関してはハッキリと「間違っている」と考えています。

それは上述しているように、理由は以下の事柄だと見ています。

【国産たる理由】

MRJ:日本で最終組み立てを行う
ホンダジェット:根幹部品であるエンジンの設計は本田技研工業

【非国産たる理由】

MRJ:根幹部品であるエンジンは海外(P&W社)製
ホンダジェット:アメリカで最終組み立てを行う

 

エンジニアとテクニシャンの違いといいいますか、開発とラインの違いですよね。製造業から言わせると、そんなところで国産や非国産だとかっていう線引きはしないと思いますがね。

しいて言うならば、

MRJとホンダジェットは両方とも「国産」であり、「非国産」です。
そもそもここにこだわっているのは、日本くらいでしょう。

それに再度言いますが、

生産地で国産化・非国産というのならば、日本の製品のほとんどが中国産になりますし、日本人の大好きなiPhoneも中国製ですよね?

と思うんですね。

 

MRJ・ホンダジェット現状

MRJはいいニュースは最近めったに聞かなくなりました。
というか、開発完了自体がいつになるのかも分からなくなるレベルの模様です。航空業界を盛り上げて欲しい人間からすると、何とか物になって欲しいと願うばかりです。

ホンダジェットのほうは、航空業界のノーベル賞とも言われるHIAAの賞も受賞しています。アジア人としては初ですし、同一人物の複数受賞は前例がありません。また、世界各国で販売網をどんどん拡大しています。等、これでもかっってくらい数々の偉業を成し遂げて快進撃を果たしています。最近、ホンダジェットのCMが流されていて、超カッコいいですよね!今後もその快進撃ぶりに注目したいです!!

そういえば、去年2017年にはホンダジェット購入者のアメリカ人夫がホンダジェットで世界一蹴したニュースもありました。

 

まとめ

ほぼホンダジェットの記事になってしまいましたが、それほどまでにホンダジェットの偉業が凄まじいということです。少し調べれば、なんでこんなに日本の報道は冷たいの?と疑問を感じてしまいます。

MRJは現状の開発が頓挫しそうで危うい領域に入ってきました。踏ん張って、日本の悲願を達成してほしいという思いと、血税をつぎ込んでいる以上はそれなりの落とし前をつけてほしいところです。

HJは、数々の華々しい快挙を見ていてワクワクが収まりません。今後、ビジネスジェットから旅客機へ拡大させるのか等、将来が開けただけに今後も注目するべき事象だと思います。

一度、ホンダジェットに乗ってみたいもんです。なんかそういうツアー企画とかないのかな?
買えたら一番いいけど。。(絶対無理w)

最後までご拝読ありがとうございました。

ほな